8/6/2023 追記
親子機ともファームウェアをVer.3.0.10(2023年6月21日更新)に更新したところ、EasyMesh方式でもメッシュ中継機として設定できるようになっていることを確認しました。
7/7/2022 追記
色々この機種は面倒なので現在、私はこの機種をおすすめしません。 設定にある「11ax (Wi-Fi 6)機能」を無効にしても、一部のクライアントは引き続き接続に支障があります。
次の公式のFAQページにMacBookでの現象が書かれていますが、ネットを漁ると一部のAndroidでも接続できないものがあるようです。
返品して、別機種に切り替えましょう。
購入した動機
NEC Aterm WX1800HP を購入してからはや1ヶ月くらい経過しました(ちなみに私が買ったのは 2台セット の方です。)。
購入したきっかけはiPhone 11や12 mini、Mac miniなどが11ax対応なので、Wi-Fi 6を使ってみたかったというのが主な理由です。
製品仕様はこちらです。
何でブリッジモードでWi-Fiを使っているのか
単純な話です。私はJ:COMのネットサービスを契約していて、レンタルの無線ルーターが設置済みだからです。 これまでWi-Fiはブリッジモードでずっと利用していました(ルーター機能を使わないのでもったいなさは感じています)。
と言うわけで、NEC Aterm WX1800HPに買い換えてもブリッジモードで設定しようと思いました。そしてメッシュ対応モデルなのでどうせならメッシュ機能を使ってみようと。そうしたらはまったという話です。
困ったこと
このモデル、ネット検索すると非常に評判が良いモデルであることがわかるのですが、ブリッジでメッシュWi-Fiを構成する方法がオンラインマニュアルに詳しく述べられておらず、設定に苦労しました。
これまで数週間NECのサポートとやりとりして原因究明をしていたわけですが、ようやく使えるようになったので手順をまとめたいと思います。
メッシュWi-Fiの多くのモデルは、EasyMesh規格で動く方式とメーカー独自の方式でメッシュを構成できます。 EasyMesh規格は、別のメーカーモデルとの組み合わせでメッシュネットワークを構成できます。デフォルトはこっちが設定されています。一方独自方式はメーカー独自の方式なので、他社のメッシュWi-Fi機器とのリンクには互換性がありません。
メッシュネットワーク構築については次に情報が載っています。NEC のWi-Fi 6対応製品一覧を見ると、Wi-Fi 6対応モデルでメッシュWi-Fiを構成できるのはそちらには載っておらず、WX1800HPが唯一対応しているモデルっぽいです(2021年9月7日現在)。
ちょっとだけ補足すると、WX1800HPという製品はあるようですが、量販店などでは一般には販売されておらず、Amazonで専売モデルとしてAX1800HPという型番で販売されています(ただし説明書、クイック設定Web上の表記はWX1800HP)。
これの2台セットを購入して届いてから何週間か、ブリッジモードでメッシュWi-Fiを設定しては駄目で初期化を繰り返していました。結果的には我が家の環境ではEasyMesh方式では無理で、親機子機ともに「独自方式」にすることでブリッジモードでのメッシュWi-Fiを構成できるのを確認しました。
以下は親機と子機の設定例です。
念のため述べておきますが、親機をルーターモードに設定して子機とメッシュを構成するのについては何の問題も無く動きます。ルータモードにおけるメッシュ親機子機の設定方法については付属する「つなぎかたガイド」に書かれています。
メッシュWi-Fiを設定してみよう
メッシュ親機の設定について
モードの切り替えについてはこちらに書かれています。
ログイン
メッシュ親機の無線モードを「BR(ブリッジ)モード」にした場合、クイック設定Webにアクセスするには 「http://192.168.1.210」にアクセスします。設定用のクライアントPCに「192.168.1.240/24」などの固定IPアドレスを設定して親機と直結し、他のネットワークからは切断します。
IPアドレスなど
基本設定を開いて、IPアドレス、ゲートウェイアドレス、プライマリDNS、セカンダリDNSを設定します。DNSについては用意されていないなら、公開DNSサーバーを設定します。すべて入力が終わったら「設定」ボタンをクリックします。
このあたりでメッシュ親機のWANとルータをLANケーブルで接続します。クライアントの固定IPアドレスを消してDHCPアドレスからIPアドレスを取得するように設定します。
【今回重要】メッシュの設定
Wi-Fi基本設定のメッシュWi-Fi方式を「独自形式」に設定します。終わったら「設定」ボタンをクリックします。
Wi-Fi 5GHzの設定
Wi-Fi詳細設定(5GHz)を開きます。ネットワーク名(SSID)を設定します。 暗号化キーを適切なものに変更します。暗号化キー更新間隔(分)はデフォルトは30分なので、もう少し長い時間を設定します(ex. 720分)。
オートチャネルセレクト機能は「使用する(標準)」がデフォルト設定です。古い機器(例えば初代のFire TV Stickなど)は5GHzの「W52」以外の設定では接続できない場合があります。「使用しない」を設定して、使用チャネルを「36(W52)」などに設定するといいでしょう。
マルチキャスト伝送速度(Mbps)は「6Mbps」がデフォルトになっています。おそらくこの設定のままだとYouTube動画が快適に再生できませんので、まずは「12Mbps」から徐々にあげて頻繁にぐるぐるが発生しない最適値を調べます。
これ以外の設定については、必要に応じて設定変更してください。デフォルトの設定ではバンドステアリング(2.4GHzと5GHzを同じSSIDで設定して状況に応じて接続先を切り替える)機能が有効になっています。場合によっては別々のSSIDを使った方が快適な場合があります。必要に応じて2.4GHz側の設定も適宜行います。
メッシュ子機を設定する前に
Aterm WX1800HPの仕様ではMAモードに設定した子機は子機自体にIPアドレスを自由に設定できません。その結果、子機はインターネット接続できません。これらの仕様により、ボタンポチでファームウェアの更新ができない、クイック設定Webにログインする場合にクライアントと子機をLANケーブルで直結にして設定する必要があるという問題があります。問い合わせしたところ、製品の仕様だそうです。非常ーに使いにくいです。
私が買った2台セットは古いファームウェアのままになっていました。親機のファームウェアは簡単に更新できましたが、さて子機のファームウェアはどうやってアップデートすれば良いでしょうか?
試行錯誤の結果、最終的に私は子機を一旦ブリッジモードに設定して別のWi-Fi親機として設定し、ファームウェアアップデートを行いました(以前買ったWG1900HP2ではCNVモードでもファームウェア更新できたのに、面倒すぎるわ!)。
メッシュ子機の設定
モードの切り替えについてはこちらに書かれています。
メッシュ子機はMAモードに設定しておきます。 これにより、「メッシュ中継機またはメッシュ機能を利用しない中継機/子機モード」に設定できます。 今回はメッシュ中継機として設定します。
メッシュ機能の有無についてはこちらに図解されています。
確認したところ、MAモードに設定した子機は「192.168.1.245/24」からIPアドレスを変えられないようです(変えるような設定が見つからないため)。 すでに「192.168.1.0/24」のネットワークを使っていた場合は、違うIPアドレスが設定されるかもしれません。
設定用のクライアントPCに「192.168.1.240/24」などの固定IPアドレスを設定して子機と直結し、他のネットワークからは切断します。
ブラウザーでメッシュ子機のクイック設定Web「http://192.168.1.245」にアクセスして、メッシュWi-Fi方式を「独自形式」に設定します。 設定が終わったらクイック設定Webを閉じて、メッシュ親機とメッシュ子機のLAN端子(上の端子)同士をLANケーブルで接続して電源を入れ直し、3分ほど待ちます。
そうすると、つぎのようにランプが点灯します(ファームウェア2.0.0の場合)。こうなったらブリッジモードでメッシュWi-Fiの設定が成功です。
メッシュ親機の設定変更後、子機が正常に動いていない場合
メッシュ親機でWi-FiのSSIDや暗号化キーを変更すると、メッシュがうまく動かなくなります。子機の電源を切ってから親機と子機をLANケーブルでつないで子機の電源を入れ、3分待って設定を同期すると元の状態に戻るようです。次のランプの状態になることを確認します。
メッシュ親機のランプ状態
電源を入れてから3分ほど経過して親機の状態が安定すると、3つのランプが点灯します。
- Active: オレンジ
- Wi-Fi: 緑点滅
- MESH: 緑
メッシュ子機のランプ状態
電源を入れてから3分ほど経過して子機の状態が安定すると、3つのランプが点灯します。
- Active: オレンジ
- Wi-Fi: 緑点滅
- MESH: オレンジ
まとめ
- BRモードに設定した親機のIPアドレスは「192.168.1.210/24」(初期値)
- MAモードに設定した子機のIPアドレスは「192.168.1.245/24」(どうやら固定)
- クイック設定Webのログイン用情報は各機器の裏側に記載
- メッシュ方式は親子機ともに「独自方式」に設定すれば、ブリッジでメッシュWi-Fiが使えた
- 親機のメッシュは緑、子機はオレンジ色にランプ点灯すれば成功(コンセントを挿してから3分待つのがポイント)