MacをRetinaモデルに切り替えたら、仮想化ソフトウェア上のWindowsで色々問題が起きたよという話です。
普段、家でも会社でもMacを使い、他のOSは仮想化ソフトウェアを使っています。 しばらくVirtualBoxとVMware Fusionを使っていたのですが、会社のMacをRetina対応モデルに変えたところ、VMware Fusion上のWindowsの動きがすこぶる悪くなりました。
具体的にどこが変化まとめると次の通り。
- Windows仮想マシンのRetina(高DPI)対応の設定を行うと画面が小さい
- Windowsの高DPI設定で150%とかにすると見やすくなるが、次のような問題が発生する
- 100%以外の設定にするとアプリケーションによって描画がおかしいことがある(はみ出たり、文字がかけたり)
- DPI設定非対応のアプリケーションでは画面がぼやける
- ウインドウ、メニューなどDPI設定に従って表示されるところとされないところがある(不揃いになる)
- DPI設定を100%に設定してもVMware Toolsが次回起動時に元の設定に戻してしまう
VMware Fusionで高DPIの設定をオフにした場合、次のような問題が発生します。ちなみにこれらの問題はVMware Remote Consoleプラグインでも同様の問題が発生します。Mac版のVMware Remote ConsoleプラグインはVMware Fusionと同じ部品によって作られているためと思われます。
- 解像度をどう設定してもWindows 全体がぼやける
- 仮想マシンをウィンドウモードで表示している場合、画面の四隅の部分にマウスの矢印を移動するとなぜかディスプレイが一瞬スリープする(これはMac側の問題のような気がする)
そこでParallels Desktopに移行することにしました。
移行の方法は通常はParallels Desktopを起動して「ファイル→開く」をクリックし、仮想マシンを選択するだけです。 ですが、VMware Fusionがインストールされていると、Parallels DesktopのコントロールパネルにVMware Fusionの仮想マシンがリストアップされており、そこからParallels Desktop用に変換(実際は別のファイルを作ってからイメージが作られる)するだけでした。変換は自動化されるのでParallels Toolsのインストールまで自動で行えます。
ただし問題が。そう、Windowsのライセンス移行の件です。 私は会社ではWindows 10のx64を、家では互換性の問題が発生したためにWindows 8.1のx86を使っています。会社のWindows 10はもともとWindows 8から8.1 Updateにアップグレードしたものを10に無料アップグレードした環境でした。
Windows 10のライセンス認証方式は従来のプロダクトキーを使ったライセンス認証と、デジタル ライセンスによるライセンス認証方式があるようで、無料アップグレードした場合はデジタル ライセンスによる認証になっています。 https://support.microsoft.com/ja-jp/help/12440/windows-10-activation
デジタル ライセンスによる認証をしたWindows 10をParallelsへ移行したところ、「ライセンス認証されていない」状態になってしまいました。この状態では新しいライセンスを入力するか、再インストールが必要になります。
そこでWindows 8のインストールから始めようと思いました。しかし、セットアップ後にWindows 8のライセンス認証を行おうとしたところ、「ライセンスは使用中であり、オンラインによるライセンス認証できない」と言う旨のエラーがでました。電話によるライセンス認証を行い、オペレーターと話をする必要があるようです。素直にオペレーターに「新しい環境にインストールした。古い環境からはWindowsは削除する」と言えば、ライセンス認証の手続きをしてもらうことができるとは思いますが、面倒になったので新しいライセンスキーをAmazonで購入してしまいました。1万4千円くらいですし。実はあと2千円安いパッケージ版がAmazon.co.jpにはあるようなのですが、AmazonでWindowsのパッケージ版やDSP版を買う時にものすごく注意しないと偽物をつかまされるらしいので、オンラインコード版にしました。インストールメディアはMicrosoftのサイトからダウンロードすればいいですから。
Parallels DesktopのRetina対応については、仮想マシンの設定をRetina対応に切り替えることで、自動的に良きに計らってくれます。もちろん、Windows側で自由にDPIの設定をすることも可能です。再起動後もDPIの設定は維持してくれました。
ただし、次のような問題はParallels Desktop 11でも再現しました。
Retinaモードの場合
- DPI設定非対応のアプリケーションでは画面がぼやける
- ウインドウ、メニューなどDPI設定に従って表示されるところとされないところがある(不揃いになる)
非Retinaモードの場合
- 解像度をどう設定してもWindows 全体がぼやける
- 仮想マシンをウィンドウモードで表示している場合、画面の四隅の一部にマウスの矢印を移動するとなぜかディスプレイが一瞬スリープする(これはMac側の問題のような気がする)
同じようにVirtualBoxで動かしていた家のWindows 8.1をParallelsに移行してみました。こちらはWindows 8.1をWindows 8.1 Updateにしただけのものなので、特に移行後もライセンス認証のし直しなんてことをする必要なく移行可能でした。自動的なインポート後にログインして不要なGuest Aditionを削除して再起動するだけでした。
家のMacはRetina非対応のため、描画の問題は起きませんでした。
Retinaモデルはフォントがきれいに描画されて長時間見ていても目が疲れなくて良いのですが、Windows仮想マシンを使うとなると色々とあり、目は疲れないのですが頭が疲れますね。
ちなみにVirtualBoxはVagrantでOSのデプロイをする時に便利なので、引き続き使います。Fusionは捨てましたが。